「枇杷」 P10号
この絵は、少し奥まったところにかけていました。
他の作品とはテイストが違うので。
今回のテーマは、「記憶―つぐもの―」ということで、
立嶋滋樹さんが、一連の絵を制作中、思い出した本があり、
その本の中にある、「枇杷」という短編を読み直されて描かれました。
「ことばの食卓」 武田百合子 画・野中ユリ
この本の一番目に「枇杷」が入っていて、
搬入の日に、読みました。
梅雨のある日、亡くなった夫が、枇杷を食べた後、
「こういう味のものが、ちょうど今食べたかったんだ・・・。」
どうということもない思い出なのに――。
ちょうど今食べたかったものを食べたりすると、
梅雨の日の午後のその食卓に座っている。
・
・
・
向かい合って食べていた人は、見ることも聴くことも触ることも出来ない「物」となって消え失せ、私だけ残って食べ続けているのですが―納得がいかず、
ふと、あたりを見回してしまう。
ひょっとしたらあのとき、枇杷を食べていたのだけれど、
あの人の指と手も食べてしまったのかな。
―そんな気がします。
夫が二個食べ終るまでの間に、
私は八個食べたのを覚えています。
少々長く引用しました。
展覧会二日目に、ゆうえいが大好きなお客様、
K崎さんに、「枇杷」の絵にまつわる話をしたところ、
「本を持ってる。」と。
2.3日前に、はがきが届きました。
写真の文庫本は、立嶋氏所有
本は、60年5月26日に京都のアスタルテ書房で買っていました。
武田百合子のサイン入りです。
ちょうど27年前。(K崎さんが来られた日は、5月26日)
眠っていた本と再会できて嬉しいです。
立嶋さんの描かれたのは8つだったかしら。
ーK崎さんの葉書の文面から―
真っ赤な薔薇に朝露がたくさん。
綺麗な葉書を使ってくださった。
こういう葉書を書ける女性になりたいものです。
ゆうえいより随分お姉さんで、身体が丈夫ではないけれど、
いつお会いしても目がキラキラして行動的。
先日来てくれた友人えもにゃんこらしょちゃんと話したことです。
彼女は、奈良伝統野菜の今市蕪を描いています。
葉っぱの先に黄色い花が咲いていて、
その時はもう蕪は食べられない。
「くえへんけど綺麗。」
そんなおばちゃんになろうぜ。オー!
この話を、今日来てくれた、M田さん、眞澄ちゃんに話しました。
「くえへんけどは、あんたらにはまだまだ手が出ないけど。」
と言う事だ、とM田さん。
「そうや、そうや。」
みんな凄いでしょう。
おばさん達は、進みすぎていますので、
そんじょそこらの男子では、対抗不可。
「しっかり男を磨いておいで。」
話が随分それました。
脇山さんも来廊。
韓国チェジュでのワークショップを終えてすぐ。
立嶋滋樹さんと、ゆうえいにパックのおみやげ。
パッケージには、わかめの絵が。
後から来た立嶋滋樹さんに渡すと、
「何か怖いな。」
それでも今宵は、パックをして寝ることでしょう。
久しぶりの広告写真家の佐藤さん。
珈琲をたててくれました。
写真は、豆をつぶしているところ。
前方のカバンの中には数種類の豆が。
いつもの美味しいコーヒーをいただきました。
その時いらしたお客様はラッキーです。
夕方仕事を終え画廊に来たクタクタの先生。
頂きもののパンを食べているところ。
お世話になりました。
立嶋滋樹先生の親しい方が言われました。
「朝方、アトリエを覗くと、筆を持ったまま、キャンパスに突っ伏している立嶋を見て、
死んでいるのでは、と何度も思った。」
不二画廊のオーナーの村上さんが、
立嶋滋樹氏の絵に対する姿勢、勿論絵も絶賛されました。
そして、身体を大事にして欲しいと。
ほんまやで。自分の体力を過信したらアカン。
いろんなことがあった展覧会でした。
色々考えさせられました。
ゆうえいは又宝物が増えました。
足を運んで下さった皆様。
ブログを見てくださった皆様。
絵の写真うまく撮れなかったけれど。
それから、何人もの方がブログで紹介してくれていました。
見てます。ありがとう!
皆様、ありがとうございました。
「流れる」40号



