木偶のはがき―李青で
「李青」の美しいオーナーの友人で写真家の写真集
1998年に出版された写真集を見て、オーナーは『木偶(もぐ)』の存在を知ったという。
友人のT山さんを待たせること30分。
せっかく京都駅からタクシーで行ったというのに、
タクシーを降りてから、豪雨の中、迷いに迷い。
尋ねに入った交番のおまわりさんに
「しばらく休んでいきなさい。」と言われたにも関わらず、
どしゃぶりの中へ飛び出した。
それからも迷って迷って、
悔しいけれど電話して、
やっと「李青」につきました。
李朝美術の空間が素晴らしい喫茶の中に
「木偶」達はガラスケースに入れられることもなく、
窓辺に飾られていたり、
地べたに置かれていたり、
李青の空間の中に一体化していました。
「木偶」は、朝鮮で、亡くなった人を、墓地まで送る時に、納める喪輿を飾った人形です。
亡くなった人が淋しくないように、
近所の人、僧侶、大道芸人、龍などの形をした人形で賑やかにしてあげたのです。
しばらく前に、写真家の宮川さん所蔵の本物を見せてもらっていました。
道化師の「木偶」
大切に包まれた中から出てきた「木偶」を見た瞬間、
血の気が引きました。
実際に使われていたものが発する何かに一撃されたような…。
この「木偶」は、李青のより大きいです。
写真を撮らせていただいています。
撮ると「木偶」のエネルギーが消えました。
へたくその証拠です。